その5~専門家の参加と運営委員会準備会の開催~

 平成14年度の基本設計は、主に道内で活躍する設計事務所5、6社を対象に選定委員会を設置し、プロポーザル方式で基本設計案について提案を求め、この中から北海道日建㈱が選定され基本設計は進められた。

 このプロポーザル方式のメリットは、基本設計時に、施設を運営する方式などを含めてプレゼンテーションをしてもらい、その中から今回の設計を進めていくうえで市民参加を進めていくイメージが盛り込まれていた。

 平成15年度になって、実施設計が引き続き北海道日建設計に決まり、実施設計に先立って、運営を担う組織づくりのため、専門家のアドバイスを受ける戦略会議を開催することになった。

 戦略会議は、文化ホールづくりの専門家として設計者側から紹介された4名の方々(北大の小篠準教授、HITの山重氏、商店街活性化に詳しい東村氏、演出や演劇舞台づくりに詳しい太田さん)との意見交換として月1回ペースで開催した。

 会議での内容は、施設の設計内容、市民の要望、市の考え方、これまでの経緯などから、運営組織のあり方、実施設計に向けたプランの具体化の検討、市民フォーラムの開催内容などについて意見交換した。専門家の意見は実に興味深いものだった。それは公の施設の指定管理者制度に対する他府県の動向、日本の文化ホールづくりの動向、イベントを展開する上での人材情報や施設運営のノウハウなど個別具体的な事例や動きがよく理解できた。一方で、運営組織の基盤づくりとして、運営委員会準備会(15回開催)を6月に設置することができた。また、市民と市役所側の協議の場として、市の担当職員レベルの庁内ワーキングも同時に開催(10回)し、情報が行き来できるように相互の合同の協議会も定期的に開催した。会議は参加することのメリットがなければ続かないと考え、短期集中の審議、参加しやすい環境、成果を目に見えるようにすることが必要だと考えた。

 参加日時の設定は、平日の18時から2時間程度を基本に、月2回程度の開催とした。なるべく参加しやすいように、次回の開催日や大まかな予定を事前にお知らせして開催。議論する内容が段階を踏んで形となるように、記録の整理と報告、専門的な知識の提供、市民への情報公開として市民向けフォーラムの開催、成果の市長報告(H16年4月)とした。

〇第1回目の準備会で、いきなりプランの変更が提案された。

 平成15年6月の1回目の準備会で、基本設計への説明をし、今後の進め方に意見を求めたが、ホールの向きがよくないなど、基本設計の変更を求める意見が大勢を占めた。行政では、事業を進めるうえで、構想→基本設計→実施設計へと順次進めていくのが通例になっているが、(公共事業の場合流れが変わることがない)内心私は、これは困ったなと思った。ただ、私が決定する立場ではないと思い、この変更は一時保留にして市の理事者に話すことにした。

 仮のプランを設計事務所に作成してもらい、これを助役に持ち込んだ。しかし、何といとも簡単に「いいんじゃないか」との返答。その時私の眼は点になっていた。(この出来事をコンカリーニョの斉藤ちずさんが寸劇「これでいいのか」を作成してくれた。(ビデオあり、容量が大きいので掲載別途)https://www.facebook.com/katsuow1?hc_ref=ARSysPsXaMXaby5ct8sf_tucXWmRiKp-YLEqK3ykXGrjx36Xro5MZppYLE1_rgN_oBc&fref=nf


運営委員会

専門家を交えてのワーキング

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